生まれ持った才能(IQ)・知能とは別の「第3の成功因子」としていま話題なのが、「グリット」です。これは、粘り強くやり抜く力、不屈の精神を指します。ある研究によると、IQが高いのに成績が悪い子もいれば、低くても成績の良い子がいる。この差は何なのか? 調査したところ、長い時間粘り強く勉強することは、IQに勝る力になることが分かったそうです。
私は〝地頭〟と〝素頭〟という呼び方をして、セミナーなどでこの事を度々話してきました。〝地頭〟は生まれもった能力で、計算力や記憶力、思考力など、IQと呼ばれる力。〝素頭〟は、人の気持ちを推し量ったり、その場の空気を読んだりする能力で、数値では表せず、経験により培っていく力です。ビジネスの成功に必要なのは〝素頭〟ですが、「グリット」はその精神面のことではないでしょうか。
私の両親は高等小学校しか出ていませんが、とにかく努力の人でした。私が親から受け継いだものがあるとすれば、粘り強くやり続ける力、〝努力力〟だと思います。それだけで、今の自分をつくってきたと思っています。 高校時代、いくら勉強しても追いつけない天才たちと自分の脳を比較して、「鯛(たい)の頭と鰯(いわし)の頭」という詩を書きました。天才たちとは持って生まれた頭が違うと感じて、それを素直につづったのですが、それを見た親父は「自分の努力不足を生まれつきのせいにして逃げやがって、負けたくなければ人の2倍も3倍も勉強しろ!」と、カンカンに怒りました。私は腹をくくり、そうするしかないとやり抜きましたが、それでも東大には合格できませんでした。しかし、人の2倍も3倍も努力することは、いつしか私の生き方として習慣化されました。実家のディスカウントストアで働くようになってからも、船井総研に再就職してからも、同様に仕事をしてきました。その結果、幸いにも東証一部に上場させることができ、船井総研の代表としての務めも果たすことができました。
そんな私のことを「スゴイ!」と言ってくださる人もおりますが、努力し続ければ誰にでもできると私は思っています。もし私に鯛の頭があれば、おそらく本当にスゴくなっていたかもしれませんが、私は鰯の頭でしたから、粘って「グリット」で勝負してきました。というより、そうするしかなかったのです。
人は天賦の才にかかわらず、志と「グリット」さえあれば、自分の夢に必ず近づくことができます。「グリット」を習慣付けることの大切さを若い方にお伝えください。
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