日本・東京商工会議所など経済3団体は5日、新年祝賀パーティーを都内のホテルで開催した。パーティー終了後に行われた経済3団体トップによる記者会見で日商の三村明夫会頭は、地方や中小企業に景気回復を行きわたらせるために重要な点として「生産性向上」を挙げ、「中小企業の生産性を引き上げない限り、日本全体の生産性は向上しない。商工会議所としてもできる限り早期に中小企業の生産性を引き上げるべく、いろいろな手を打って全力で支援していきたい」と意気込みを示した。
日商・東商、日本経済団体連合会、経済同友会による毎年恒例の新年祝賀パーティーには、全国の経営者ら約1800人が出席した。来賓の安倍晋三首相はあいさつで、IoT、ロボット、人工知能(AI)などへの積極的な投資へ期待を示した。また、「しっかりと経済の好循環を回していくためには、今年の賃上げ3%をお願いしたい」と要請した。
経済3団体トップによる共同記者会見で三村会頭は賃金引き上げについて、「賃金を上げられる企業はぜひとも上げるべき」との認識を示した。一方、賃上げした中小企業の多くが人材確保・定着やモチベーション向上のために賃上げをしている点や、付加価値に占める賃金の割合である労働分配率が中小企業で約70%、小規模企業になると約80%だが、大企業は約45%である点を指摘。「賃金アップの与える経営への影響は相対的に中小企業にとって、より苦しいものとなっている」と中小企業の現状を訴えた。
また、日本経済の成長のためには消費の伸びが必要と強調。「賃上げは、日本の消費を盛り上げるための有力な手段として考えられているが、今一番大きな問題は貯蓄性向が上がっていることである。そのため、賃上げをしてもそれが貯蓄に回り消費が上向かないという現状に対して、どのような手を打つのかということも賃上げと同様に行わないとならない」と述べ、国民の将来不安の払しょくなどに取り組むよう求めた。
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