日本商工会議所はこのほど、「商工会議所環境アクションプラン」を公表した。中小企業における地球温暖化対策への貢献の一環として日商のエネルギー・環境専門委員会(委員長電源開発・北村雅良会長)が策定。中小企業がさまざまな経営課題を解決して生産性向上などを図る際に、IoTや人口知能(AI)の活用と並んで、少しの工夫によって、省エネルギーの視点も加味して取り組んでみようというメッセージを発信している。
同プランは、従来のような「省エネありき」で進めるのではなく、前向きな経営改善や生産性向上への取り組みの中に省エネの視点も加味しながら進めていく「経営課題の解決with省エネ」をキャッチフレーズとしている。
まずは「業務の改善」や「利益の確保」「人材育成」「新ビジネス展開」など自社の抱えるさまざまな経営課題の解決を図りながら、併せて省エネも同時達成する取り組みを進めていくという新たなスキームとなっている。
また、同プランでは「日本商工会議所が行うアクション」と「各地商工会議所が行うアクション」の二つに分けている。
各地商工会議所には今後、同プランを参考に、中小企業の実態・ニーズ、地域の実情に合わせた独自の「環境アクションプラン(地域版)」の策定や、地元自治体をはじめ外部専門機関や役員・議員などにも連携を呼び掛け、先進的な取り組み事例やマネジメント手法を地域全体で共有できるよう環境整備に努めていくことを促していく予定としている。
中小企業は今後、取引先などから「環境配慮」が求められる事態が予想されているほか、日本経済再生に欠かせない中小企業における「生産性革命」の実現も要請されている。また、2030年度の温室効果ガス削減目標(13年度比26%減)では「運輸部門」と「業務部門」への割り当てが大きくなっている。「運輸部門」では二酸化炭素排出量の34・4%、「業務部門」では80・0%を中小企業が占めているというデータもある。
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