まずは、中小企業の経営力向上に取り組みたいと思っております。現在、中小企業において生産性を一層高めていくために、IT・ロボットなどの新技術の導入が課題になっております。しかし、ITを活用する人材の不足、多大な導入コストなどが障壁となり、なかなか思うように導入・活用が進まないのが現状であります。
一方、ITを活用した取り組みにより生産性を大幅に向上させている企業が出てきています。このような画期的な取り組みを広めていきたいと考えております。また、7月には中小企業等経営強化法を施行し、稼ぐ力の強化に取り組む中小企業に対し、金融支援などに加えて、固定資産税を3年間半減します。 ITの利活用に際しては、IT専門家を派遣し、中小企業1万社を支援してまいります。事業承継については、支援体制の充実や税制措置の見直しなどを進めてまいります。
アベノミクスをさらに推し進めるため、中小企業政策をはじめとする、あらゆる政策を総動員して未来への投資を加速させていきます。例えば、IoT、ビッグデータ、ロボットをはじめとした技術革新を、あらゆる産業や社会生活の変革につなげる「第4次産業革命」の実現に取り組んでまいります。また、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定については、早期の発効に向けて、臨時国会において協定の承認が得られるように尽力してまいります。
さらに、「働き方改革」にも経産省として全力で取り組んでまいります。働き手のスキルアップによって「生産性の向上」や「産業競争力の強化」を実現するとともに、女性や高齢者の活躍を促すことで、人口減少を補うことが重要です。経営者の皆さまのリーダーシップをもって、ぜひ、「働き方改革」に取り組んでいただきたいと思います。
そして、賃上げについては、官民の力を合わせて、賃上げできる環境を実現し、デフレ脱却に向けた流れを確固たるものとしてまいりたいと思っておりますので、経済界の皆さまの積極的なご協力をお願いいたします。
今後、公正取引委員会と連携し、下請法の運用基準の改正をはじめとする法令の運用強化など、下請け取引の適正化に徹底的に取り組んでまいります。経済界には、サプライチェーン全体での適正取引と付加価値の創出を図るべく、「自主行動計画」の策定や積極的な取り組みを進めていただきます。このため、まずは下請け構造の広がりのある自動車産業などの業種に対して要請してまいります。
日本経済の根幹を支える、責任あるエネルギー政策の実現を目指します。そのため、安全性が確認された原発の再稼働を進めるという政府の一貫した方針の下で取り組みを進めていきます。再エネについては、国民負担を抑制しつつ、最大限の導入を進めて行くという基本方針に基づき、改正FIT法の着実な施行や技術開発に取り組みます。(9月15日)
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