近年、ネットワークに関する研究が進んでいる。その中でも、ネットワーク科学と呼ばれる分野に多くの注目が集まっている。ネットワーク科学の主な研究テーマは、私たちが生活する世界の中にあるさまざまな網の目のようなつながり=ネットワークが、どのような働きをしているかを解明しようという試みが多い。このネットワーク科学が注目され始めた背景には、目覚ましい情報・通信技術の発達により、社会全体がネットワーク化していることがある。
ネットワーク科学の命題の中に、“スモールワールド現象”というものがある。これは、世界の中で特定の人とその友人、さらにその友人をつなげていく行動を6回行うと、世界中の人々すべてを結びつけることができるという仮説だ。人と人あるいは物と物を6回つなげると、全ての人や物事などをつなげることができるので“六次の隔たり”とも呼ばれる。情報・通信技術が発達する以前では、実際につなげるという行動は、手紙を書いたり、あるいは実際に会ったりすることが必要だった。ところが、インターネットの発達によって、簡単に人と人の連鎖をつくることが可能になった。現在、それをうまく使って新しいビジネスを始める企業が出てきた。その一つに、ネットワークを使うことによって、特定のモノやサービスを売りたい人と、買いたい人を結びつけるビジネスがある。
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