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スポーツライター 青島健太の注目アスリート 球春到来! 飛躍が楽しみなルーキーたち

写真提供:産経新聞

プロ野球キャンプの取材で、1週間沖縄を回ってきた。この時期に気になるのは、やはり各チームの若手選手、とりわけルーキーたちの動向だ。早速1軍に呼ばれて堂々とプレーしている選手もいれば、2軍で体づくりからじっくり取り組んでいる選手もいる。彼らを見るのが楽しいのは、これからの伸びしろが大きいからだ。真っ白なキャンバスに、どんなキャリアを描いていくのか。その成長の軌跡を見ることができる。

今回会った新人の中では、東北楽天ゴールデンイーグルスのオコエ瑠偉選手が特に印象に残っている。

とにかく明るくて、元気があって、笑顔の似合う選手だ。高校から入団したばかりの選手だが、球団関係者や野球界のOB、メディアの人たちと話していても、臆するところがまったくない。誰とでも明るく話し、堂々としている。そんなところにも十分にスター性がある。

しかし、彼の魅力はグラウンドに出るともっと輝く。父親がナイジェリア人、母親が日本人のオコエ選手は、両親からもらった優れた身体能力を武器に野性味あふれるプレーを見せてくれる。足が速くて外野の守備範囲も抜群に広い。打っても攻撃的な走塁で、常に先の塁を奪おうとする。走・攻・守の全てにおいて見ていて楽しい選手だ。

ただ、今はバッティングに課題を抱えている。高校時代のフォームには無駄な動きが多く、そのままではプロの投手の速いボールに差し込まれてしまう。その課題を克服するためには、腕の力に頼りすぎることなく体の回転で打つことを覚えなければならないし、バットの軌道も最短距離を走らせなければならない。

これらのことを身に付けるためにさまざまな練習に取り組んでいるオコエ選手に「今、最も意識していることは何ですか」と聞いてみた。すると彼は言った。

「たくさんありすぎて分かりません(笑)。とにかく重要なことから一つひとつ身に付けていきたいと思います。今、戦っている相手は自分自身です」

若い選手にとって大事なことは、何かを学んで成長したいという姿勢だと思う。それは才能よりも大切なことかもしれない。その姿勢さえあれば、自分で考えてどんどん大きくなることができる。朝から晩までバットを振り続けている彼が、躍動する日はそう遠くないだろう。

青島 健太 スポーツライター&キャスター 1958年新潟市生まれ。埼玉県立春日部高校から慶応義塾大学、東芝を経てヤクルト・スワローズに入団。プロ野球初打席で初ホームランを記録。引退後は、オーストラリアで日本語教師を務め、帰国後、あらゆるメディアでスポーツの醍醐味を伝えている。

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