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スポーツライター 青島健太の注目アスリート いつも泥臭くゴールを狙う 魂のFW、岡崎慎司

写真提供:朝日新聞社

今季、英国プレミアリーグで異変が起こっている。万年Bクラス、つねに降格の危機にさらされている「レスター・シティー」が快進撃を続け世界中を驚かせているのだ。後半戦に入ってもその勢いは衰えず、名だたるビッグクラブと互角の戦いを見せ、優勝争いを演じている。

首位のアーセナルに、勝ち点「44」で並び、得失点差で2位(1月19日現在)。マンチェスター・シティーやマンチェスター・ユナイテッド、チェルシーやリバプールもレスター・シティーの後塵を拝しているのだ。そして、このチームで見事な貢献を見せているのが、ご存じ日本の岡崎慎司選手だ。

岡崎が快進撃の「原動力」と言っては言い過ぎだろうが、今やなくてはならない存在になっている。チームの得点王は、11試合連続得点のリーグ記録もつくったジャイミー・バーディ選手。同じフォワード(FW)として岡崎とは、ライバル関係でもあるが、岡崎が黒子に徹して攻守に動き回ることでバーディのゴールチャンスを創出している。岡崎は言う。

「彼は、僕たちのメーンストライカーですし、彼のゴールは僕たちにとっても大きなものです。それにバーディが点を取れないときには、僕がチームとバーディを助けたいと思っています」

岡崎のこうした献身的な姿勢が、チームのまとまりを生んでいる。彼自身もその雰囲気をこう表現している。「レスターは強いチーム、まるで家族のようです」

しかし、そんな岡崎ももちろんゴールを狙い続けている。1月16日のアストンビラ戦では、リーグ戦通算4点目を挙げた。バーディのシュートをゴール・キーパー(GK)がセーブ、こぼれたボールを詰めていた岡崎が押し込んだ。

「あのゴールは得意にしている形です。僕はいつもGKが弾いたところに詰めようと思っています。ラッキーゴールではありません。あれが僕のゴールです」

そう、岡崎は常にハイエナのようにゴールの匂いがするところに走りこんで来る。その的確な判断と労を惜しまないスタミナが、ゴールという御馳走(ごちそう)にありつける秘訣(ひけつ)だ。

座右の銘は「一生ダイビングヘッド」。泥臭く、貪欲に。岡崎慎司のレスター・シティーでの存在感は試合のたびに大きくなっている。

青島 健太 スポーツライター&キャスター 1958年新潟市生まれ。埼玉県立春日部高校から慶応義塾大学、東芝を経てヤクルト・スワローズに入団。プロ野球初打席で初ホームランを記録。引退後は、オーストラリアで日本語教師を務め、帰国後、あらゆるメディアでスポーツの醍醐味を伝えている。

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