緒方孝市監督が宙を舞う。
7回の胴上げに選手、ファン、関係者の思いが詰まっていた。プロ野球、広島東洋カープが25年ぶり7度目の優勝を果たした。
黒田博樹と新井貴浩が泣きながら抱き合うシーンにもグッとくるものがあった。この優勝は、間違いなく二人が引き寄せたものだった。メジャーリーグから戻ってきた黒田は広島の誇りであり、阪神から古巣に復帰した新井はチーム結束の中心だった。投打に柱となるベテランが存在することで、今シーズンのカープは一丸となって戦い抜いた。それは、誰もが認める貢献だった。
しかし、野球はこの二人だけではできない。とりわけ優勝を勝ち取るには、チームに勢いをつける若手の活躍が不可欠だ。そこに素晴らしい逸材が登場したことも、カープ優勝の大きな原動力だった。緒方監督をして「神ってる」と言わしめた4年目の鈴木誠也だ。
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