政府の知的財産戦略本部(本部長=安倍晋三首相)はこのほど、「地方における知財活用の推進」「知財紛争処理システムの活性化」「コンテンツおよび周辺産業との一体的な海外展開の推進」を重点3本柱とする「知的財産推進計画2015」を決定。今後取り組むべき重要8施策も計画に盛り込んでいる。
安倍首相は「地域中小企業の知財戦略の強化や大企業・大学との連携強化のため、『地方知財活用促進プログラム』を推進する。また、コンテンツと周辺産業が業種の垣根を越えて連携して海外展開するため、意欲ある事業者のマッチングの場である『官民連携プラットフォーム』を創設する」とコメント。「クールジャパン戦略もこれを核に、官民が連携して一層推進してほしい」との考えを示した。
同計画では、技術などの知的財産を権利化している中小企業数が、3・3万社にとどまっていることから、ビジネスの視点からの中小企業による知財活用や、中小企業と大企業・大学とが知財面で連携しビジネス化する取り組みの強化に重点を置く。具体的には、「よろず支援拠点」における相談体制と「知財総合支援窓口」との連携を強化。中小企業と大企業・大学との知財連携の橋渡しや、事業化支援を行う人材を各地域に配置・派遣する。
また、重点3本柱とともに、「世界最速・最高品質の審査体制の実現」「新たな職務発明制度の導入と営業秘密保護の強化」「国際標準化・認証への取り組み」「産学官連携機能の強化」「デジタル・ネットワークの発達に対応した法制度などの基盤整備」「アーカイブの利活用促進に向けた整備の加速化」「国際的な知的財産の保護および協力の推進」「知財人財の戦略的な育成・活用」の重点8施策を提示。工程表とともに「知財戦略の政策効果を最大限発揮していく」ことなどが示された。
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