国立社会保障・人口問題研究所はこのほど、「第8回人口移動調査」の結果概要を公表した。同調査は、個人の居住地について、生涯の移動歴や移動理由、5年後の移動見通し、親や子の居住地といった人口移動に関する動向を明らかにし、関連施策や地域別の将来人口推計に必要な資料を得ることを目的としている。
5年前の居住地が現住地と異なる人の割合は22・4%で、第7回調査(2011年)の24・7%、第6回調査(2006年)の27・7%よりも低く、高齢化などにより、ここ10年間は鈍化の傾向にある。過去5年間の現住地への移動理由は、全国では「住宅を主とする理由」「職業上の理由」「結婚・離婚」の順に多かった。
出生都道府県から県外に移動したのち、再び出生都道府県に戻ったUターン者は全体の20・4%で、第7回調査の20・5%、第6回調査の19・9%とほぼ同水準。30歳未満の若年層でUターン者割合が低下する一方で、60歳以上のUターン者割合は前回調査とほぼ同水準となった。
出生都道府県別に見ると、県外に移動経験のある人の割合が最も高いのは、島根県生まれの66・2%で、鹿児島生まれが65・4%で後に続いている。一方、県外移動歴のない人の割合は、愛知県生まれが59・0%で最多。また、埼玉県、神奈川県、千葉県といった東京都隣接県の出生者において、県外移動歴のない人の割合が高くなる傾向が見られた。
詳細は、http://www.ipss.go.jp/ps-idou/j/migration/m08/mig08.aspを参照。
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