蕨商工会議所(埼玉県)は「双子織のれんプロジェクト」として、双子織の生地を利用したのれんの設置を進めている。双子織の普及を目的とした事業で、オリジナルデザインを施した双子織のれんを作成し、同所の会員である蕨市内の店や公共施設でのれんを掲げる取り組みを行っている。昨年度までに64店舗でのれんを設置しており、今年度中に100店舗突破を目指す。
同所は同プロジェクト以外にも「双子織みらいプロジェクト」の一環としてさまざまな取り組みを行っている。平成26年度にはマスコットキャラクターのアイデアを全国から募集し、817件の応募の中から「ふタコ」というキャラクターが誕生した。また、本来は着物に用いる双子織だが、バッグやネクタイなどさまざまな商品を作成し普及を図っている。今後は、「双子織銘菓」の開発を進め、さらなる知名度の向上を目指す。
双子織は、日本に初めて到来したイギリス製の紡績綿糸を使用して江戸時代末期に開発された生地。糸の密度が高いことが特徴で、国にも品質の高さが認められていた。大正時代に入ると安価な複製品を大量に生産した他産地に販路を奪われ急速に衰退し、やがて「幻の織物」になった。現在の双子織は、当時の資料を元に再現したもの。
最新号を紙面で読める!