国土交通省の有識者検討会はこのほど、空き地などの適正な管理・活用方策に対する今後の方向性などについて取りまとめた報告書を公表した。報告書では、地方圏や大都市郊外部を中心に空き地などが増加している現状を指摘。空き地対策のモデル的な先進事例を積み上げ、他地域への横展開の実施などに取り組んでいく方針を示している。
取りまとめでは、基本的な考え方として、空き地などを有効に利用することによって、地域の不動産価値や住環境の維持・向上を実現し、併せて経済を活性化させる地方創生のチャンスが生じることから、積極的な取り組みの推進が必要と強調。空き地などの情報を集約し、「見える化」するなど、取引の障害を除去することが重要としている。また、地域コミュニティーなどによって管理・活用されるようにするためには、担い手の多様化と育成が必要としているほか、暫定利用や土地の集約化などにより、新たな土地需要を創出することも求めている。
空き地の適正な管理としては、所有者の責務を基本とし、所有者自身の管理が困難な場合には、これを支援するとともに所有者が適切に管理を行わず、放置した結果、社会的害悪が生じる場合には、これを除去することも必要と指摘している。
こうした基本的考えの下、当面の対策として、空き地の実態把握を推進するとともに、自治体内外部での行政情報の活用方策を検討することや、管理水準が低下した空き地所有者への是正措置の円滑化や支援の方策を検討することなどを求めている。一方、中長期的な課題として、土地所有者に対する土地の適正利用や管理責務の明確化についての検討や、土地放棄の可否などに関する整理といった利用されない土地への対応を挙げている。
詳細は、http://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo02_hh_000100.htmlを参照。
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