日商 Assist Biz

更新

伝えていきたい日本の技 伊予絣

白方興業 (愛媛県松山市)

洗うほどに灰汁(あく)が抜けて色が鮮やかになります。日常生活に取り入れやすいさまざまな小物の制作にも力を注いでいます 撮影:加藤正博

今月は、久留米絣(がすり)、備後絣と並んで“日本三大絣”の一つに数えられている、松山の伊予絣をご紹介します。

伊予絣は200年ほど前の享和年間、現在の松山市に生まれ育った鍵谷(かぎや)カナが考案した今出(いまず)絣に端を発する藍染めの織物です。織り機の改良などにも伴い、同地域の一大産業として発展し、明治37(1904)年には全国の絣の生産量のうち25%を占めるまでに成長を遂げました。

代表的な柄は、井桁や十字など、白と紺のコントラストが引き立つシンプルなもの。模様同士の間隔を広く、線を太くとるため、素朴な美しさが感じられることも特徴です。あらかじめ柄になる部分を縛ってから藍で染め、丁寧に柄を合わせて織る繊細な作業が独特の風合いを生み出します。

白方興業では、その技法や製法を継承するために、資料館や工場があり藍染め体験や製品の購入もできる「伊予かすり会館」を運営。国内のみならず、海外からの観光客にも広くアピールを図っています。

次の記事

田辺織物

創業1946年の老舗座布団生地メーカー・田辺織物は、複雑な柄を、ジャガード織りの手法を使い立体感を出して表現。心地よい手触りを感じられる座布団生地へと仕上げています。座…

前の記事

山鹿灯籠の店 なかしま

今月は、山鹿市に古くから伝わる和紙の金灯籠(かなとうろう)をご紹介します。山鹿灯籠は2000年もの昔、景行天皇の筑紫路巡幸の際に、山鹿の人々が深い霧を松明(たいまつ)で照ら…

関連記事

及源鋳造

今月は、岩手県の伝統工芸品である南部鉄器の新たな姿を見せるブランド、Palma(パルマ)をご紹介します。南部鉄器には二つのルーツがあり、奥州市水沢地区と盛岡市を中心に鋳物…

清原織物

今月は、伝統的な綴織(つづれおり)の技術を生かして「祝いの品々」を展開するブランド、「sufuto(すふと)」をご紹介します。綴織は世界各地で古くから見られ、4000年以上の歴史…

大寺幸八郎商店

今月は、高岡市の伝統工芸である高岡銅器の技術を生かした、小さな干支(えと)の置物をご紹介します。加賀藩の二代目藩主・前田利長は地場産業を育てるため7人の鋳造師を当地に…