◆天皇の退位等に関する皇室典範特例法の成立について
本日、天皇の退位等に関する皇室典範特例法が参議院本会議で可決、成立した。前例のない初めてのことであったが、ご高齢になられた天皇陛下のお気持ちを国民が理解し、共感したことを背景に、有識者会議や国会審議においても真摯な議論が行われ、今回の法案成立に至ったことに対して、関係者の皆様に敬意を表したい。政府におかれては、特例法の施行にあたって、万全を期していただきたい。 (6月9日)
◆「未来投資戦略2017」、「骨太の方針」の閣議決定について
わが国の新たな国家ビジョンである〝Society5・0〟の実現を目指す戦略や計画が出揃った。あとは実行あるのみである。
「未来投資戦略2017」では、少子高齢化や労働力不足といったわが国の深刻な構造的課題を逆手にとり、ビッグデータの活用等による健康寿命の延伸、運輸や建設現場での自動走行やロボットの活用など、労働人口の確保や働き方改革と生産性向上に繋がる具体的な政策が盛り込まれ、的を射ている。また、われわれが要望してきた中小・小規模事業者へのICT、IoT・ロボット導入1万社支援、集中期間を定めた事業承継対策、農林水産業の成長産業化や新たな観光資源開発、3年間で2割以上のコスト削減を目指す行政手続の簡素化などが盛り込まれたことは、中小企業の活力強化と地方創生に取り組む商工会議所にとって大変心強く、確実な実行をお願いしたい。
「骨太の方針」では、持続的な成長の基盤となる人材投資や研究開発投資の強化に重点を置くとともに、国民の将来不安の一因である社会保障の効率化に向けた方向性が強く打ち出されており、評価したい。また、2020年度のPB黒字化目標を堅持したことを支持する。ただし、足元で0%台後半の潜在成長率では、財政健全化の前提となる名目3%の経済成長の実現は決して容易でなく、大幅な税収増は期待できない。現実を直視し、2018年度の中間評価を待たずに見直しを図るべきである。社会保障財源としての消費税率10%への確実な引き上げは言うまでもない。
成長の主役は民間である。政府は、労働市場をはじめ、一段の規制緩和を含む環境整備に努めていただきたい。商工会議所は、全国515商工会議所のネットワークを活かし、中小企業の活力強化、地方創生、一億総活躍社会の実現に全力で取り組む所存である。 (6月9日)
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