尾鷲商工会議所(三重県)などは、海ぶどうを尾鷲市の新たな特産品とすべく、同市の県水産研究所で栽培実験に取り組んでいる。
本事業は、中部電力尾鷲三田火力発電所の跡地を活用して市の活性化を目指す「おわせSEAモデル協議会」におけるプロジェクトの一つ。同所は、AQUA(水)、AGRI(農)の分野を担当し、陸上養殖や植物工場などの企業の誘致に力を入れている。
7月21日には、尾鷲湾の海水を利用した陸上養殖の成果を披露する見学会を開催した。
海ぶどうの生育に適した海水温は20~30度とされており、沖縄県以外での養殖は珍しいとのことだが、尾鷲湾は1年を通して水温が14~28度と安定しているため、海ぶどう養殖の可能性が考えられた。そこで、海ぶどう養殖業を営む志摩市の前田勉さんから指導を受け、昨年から事業を実施し、今年5月に養殖試験を開始した。6月には初めて収穫が行われ、県内のホテルや寿司店に提供したところ、好感触だったという。
前田さんは「水温と養分が安定しており、尾鷲ブランドとして成功するのでは」と話した。同所の山本浩之さんは「物流コストが抑えられ、鮮度もいい。海ぶどうを尾鷲の特産品にし、地域の雇用にもつなげたい」と期待を込める。
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