当社は、昭和62年に親族が経営する海産物販売店を手伝っていた私が、自分で海産物の加工販売を手掛けたいとの思いから創業。当初は板わかめが主で、季節商品である雑煮用の十六島(うっぷるい)のりも取り扱っていました。十六島のりは、出雲風土記に記載があり、奈良・平安時代には朝廷へ納められたと伝えられる、当地自慢の最高級のりです。
商工会議所との付き合いは以前からありましたが、平成15年に島根県が募集した島根ブランド5品目の認定事業に連携して取り組んだことが、大きな転機になりました。十六島のりは産地が限定され、かつ生産量が少ないので、認定は難しいと予想されましたが、プレゼンなどを重ねて見事選ばれました。
この認定後、商工会議所の協力を得ながら雑煮に用いられていた十六島のり入りつくだ煮の製造・販売を目指すために、工場兼直売所を完成させました。製品の改良や販路拡大などに努め、中国地区の道の駅をスタートに、関東方面でも認知され始め、今や当社の主力商品になりました。
将来の品ぞろえの充実や一層の地域食材の活用を見据え、新商品のさらなる開発を進めていましたところ、商工会議所から国の農商工連携事業を紹介されました。そこで、「荒布(あらめ)を中心とした隠岐海藻のつくだ煮などの加工品の製造・販売」に取り組み、認定されました。この認定により、当社の社会的信用が確立されるとともに、その後の設備投資資金が国から超低金利で融資を受けられました。
商工会議所から今までにいろいろ支援を受けてきましたが、何でも相談すれば、何とかなります。商工会議所の協力もあり、ここまで順調に推移しています。消費者の嗜好(しこう)は日々変化していますので、取り残されることが無いように、商工会議所の適切な支援を得ながら、今後は海外への進出も計画しています。島根の食材を活用した新たな商品づくりに、後継者の息子とともに取り組んでいきたいと考えています。
担当者からひと言
ご相談は最寄りの商工会議所までお気軽にどうぞ!
同社とは、以前から深いお付き合いをしていましたが、島根ブランドや農商工連携事業の認定などにおいて、全面的に支援してまいりました。社長のお人柄もあり、当所の職員全員が非常に親しみを感じています。当所全体でさまざまな対策を考えたこともあります。また、当所としても新商品の完成を楽しみにしており、出来上がる度に試食会を開いています。
同社は、自社の商品開発には地元食材を活用し、地域の活性化を図ることを第一義としています。「宍道湖のしじみ」を使用した商品の開発も検討されていると聞いています。同社事業の継続的な発展と、社会貢献を大いに期待しています。当所としても、引き続き精力的に応援していきます。
最新号を紙面で読める!