武生商工会議所青年部(福井県、武生YEG)は8月15日夜、廃油でつくった約8400個のエコキャンドルで巨大なアートをつくるイベント「♯越前がんばろっさ」を越前市武生中央公園で開催した。新型コロナウイルスの影響で沈んだまちに〝元気〟を届けようと企画。感染拡大防止のため開催日時は非公開で実施した。キャンドルに火がともると「越前がんばろっさ」の文字が大きく浮かび上がり、通りがかりの親子らが足を止め、写真撮影を楽しんでいた。
エコキャンドルは、越前市内の小中高校生や市民らのメッセージが書かれた紙コップに、飲食店から回収した廃油を入れて固めたものだ。同YEGは、6月から7月にかけて小中高校や市民に参加を呼び掛け、自由にメッセージを書いた紙コップを募集。将来の夢や医療従事者への感謝などさまざまなメッセージやイラストを描いた紙コップが集まった。
開催に当たっては、同YEGメンバーがエコキャンドルづくりから当日のキャンドルの設置、着火作業まで一丸となって取り組んだ。メインとなるアートは「越前がんばろっさ」の文字と、越前市出身の絵本作家、加古里子(かこさとし)さんの作品「だるまちゃんとてんぐちゃん」のキャラクターが描かれ、周辺には武生菊人形のマスコットキャラクター「きくりん」や蝶などのアートが並んだ。約8400個のキャンドルへは約1時間かけて着火。日が落ちた広場にキャンドルの光が浮き上がり、来場者からは「感動した」「思い出ができた」などの声が聞かれた。
会場では、受付で検温を実施するなど感染防止対策を取り、来場者は順路に従って見物する形を取った。サプライズで実施したため、イベントの様子や市民らのメッセージなどはSNSを使って紹介。丹南ケーブルテレビでも8月22日から28日まで放送された。
同YEGは「子どもたちが関われるイベントを考えた。活動が限られてもできることはある。このイベントが皆の心に灯をともし、商売の灯につながれば」と話している。
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