人の思いに守り継がれた古都・奈良の名ホテル
日本資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一は、教育や公益事業などの社会貢献活動にも精力的に取り組んでいました。その一つに、聖徳太子1300年御忌法要の準備会として発足した聖徳太子一千三百年御忌奉賛会の副会長への就任があります。当時の法隆寺は廃仏毀釈(きしゃく)の影響で衰退していましたが、栄一をはじめとする官民の支援により法要は大盛況に終わったといいます。
この奉賛会の理事会に出席した際に、栄一が宿泊したのが奈良ホテルでした。奈良ホテル本館は、寺社の多い奈良の風景に調和する和洋折衷建築となっており、現在も国賓や皇族を迎える「関西の迎賓館」として愛されて続けています。
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