地方創生の核となる中小企業・小規模事業者への支援強化に向け、各地の取り組みが本格化している。今回の「挑む」では、販路拡大の伴走支援に地理情報システムを活用している商工会議所を紹介する。
横須賀商工会議所(神奈川県)は平成26年度から、会員企業の販路拡大を目的に、「自社商圏レポートサービス」の無料提供を行っている。同レポートは、地図情報とさまざまな統計データを組み合わせた「GIS(地理情報システム)」を活用。会員企業の商圏内(車で10分圏内など)の、人口、世帯数、就業者数、所得、消費動向など、一般に公開されている情報を、分かりやすく可視化したものだ。潜在顧客を「見える化」することで、ターゲットを絞って効率よく集客力を強化できるため、会員企業にも好評だ。
また、同所ではこの商圏レポートを基に、専門家などの意見を取り入れて分析する有料サービスや、結果に直接つなげる集中支援「足元商圏戦略塾」も開講している。戦略塾は、販路・集客拡大を目指す企業を伴走支援するもので、実際にGISを活用して売上アップや販路拡大に成功した事例を紹介するとともに、参加者自身にGISを活用した経営戦略計画の立案・発表をしてもらう。また、その計画に沿った施策を実行してもらい、効果を検証しながら成果を上げていくところまで支援する。
同所は、「GISを正式に活用し始めて2年が経過し、結果が多数生まれてきた。結果は自信にもつながる。今後もGISを用いた戦略的な伴走支援をしていきたい」と話している。
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