今日から始める“大人”健康生活 Vol.17 意外と知らない歯磨きの効用

①毛先を歯や歯茎の境目に当てる

人生100年時代と言われる今、健康長寿のカギを握っているともいえるのが、歯です。

口の中は常に37度前後に保たれ、唾液という水分があり、食べ物が定期的に通るため、細菌が繁殖しやすくなっています。そのため口腔(こうくう)ケアを怠ると、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。

それらの進行を放置すると、最終的に歯を失うことになります。そうなれば食べ物を十分に咀嚼(そしゃく)して飲み込むのが難しくなり、食事内容が変わって栄養バランスが崩れやすくなります。食べる喜びが感じられず生活意欲がわかなくなったり、かむ力が低下して認知症の遠因になる場合もあります。

歯周病が体に及ぼす影響も無視できません。歯周病菌が歯茎から血管の中に侵入すると、全身を巡ってさまざまな器官に悪影響を及ぼし、動脈硬化、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病などを招きやすくなります。中でも糖尿病の人は、細菌に対する抵抗力が弱くなるため歯周病になりやすく、また歯周病菌は血糖値をコントロールするインスリンの働きを低下させるため糖尿病を悪化させやすいので、特に注意が必要です。

心身の健康を陰で支える歯を丈夫に保つには、何より日々の口腔ケアが大切。基本となる歯磨きは毎食後が理想ですが、難しければ1日1回、念入りに行いましょう。デンタルフロスや歯間ブラシを併用するとより効果的です。以前は食後すぐに磨くことが推奨されていましたが、食べ物の酸によって歯が柔らかくなり、カルシウムが逃げ出しやすくなっているので、30分後くらいがいいとも言われています。磨く際は強くこすり過ぎないのがコツで、歯ブラシも1カ月程度で交換しましょう。

さらに自覚症状がなくても、定期的に歯の健診を受けることも重要です。3カ月に1度が難しいようなら、せめて半年に1度のペースで受診し、常に口腔内をチェックする習慣をつけましょう。

福田千晶(ふくだ・ちあき) 医学博士・健康科学アドバイザー 1988年慶應義塾大学医学部卒業後、東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学科に勤務。96年よりフリーランスの健康科学アドバイザーとして、講演、執筆、テレビ・ラジオ番組への出演などで幅広く活躍。また、診療所などで診察を担当するほか、産業医として企業の健康管理や健康啓発にも携わる。主な著書に『メタボがわかれば寿命がのびる!』(白夜書房)、『体脂肪を燃焼させるスロートレーニング』(永岡書店)など多数

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