コラム石垣 2021年2月11日号 丁野朗

世界遺産やジオパークなどの制度には、登録あるいは認定の取り消しや再認定といった制度がある。登録あるいは認定要件を満たさなくなったものの取り消しなどを行うことは、ある意味で当然の措置ともいえる。

▼2015年にスタートした日本遺産も、今年で6年目を迎え、すでに目標の100件を超えたが、第1期認定地域である18地域から、順次、この再認定の仕組みを導入することとなった。日本遺産の認定には、文化財などを核とする地域物語の提案とともに、これらを活用する際の地域活性化計画を提出してもらうことになっている。

▼物語の優劣はもとより、その物語を活用した地域活性化のビジョン、そのビジョンを実現するための事業化のプログラム、さらには当該事業を推進するための体制などがきちんと書かれているかどうかも、認定の際の基準となっている。ストーリーが興味深く、かつ斬新で、地域や日本の魅力が十分に伝えられることは当然の前提だとしても、このストーリーを生かした地域活性化計画がきちんと実現できていなければ、再認定の保留や認定取り消しを行うことは当然のことでもある。

▼今後は運用に係る細部のツメも必要だが、第1期認定地域には、当初計画の「目標」が達成されているかどうか、取り組み内容が適切かどうかといった自己評価を含む総括評価を行い、再認定の可否を審議することとなる。同時に、再認定地域の中で特にモデルとなり得る重点支援地域などを選定し、新たな財政支援措置なども予定されている。既に当初目標に達した日本遺産だが、今後は、新規認定も視野に入れながら、いくつかの地域の入れ替えを進めるといった方向になりそうである。

(東洋大学大学院国際観光学部客員教授・丁野朗)

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