熊本県の代表的郷土料理として知られる「からし蓮根」。レンコンの穴にからしみそを詰め、衣を付けて油で揚げたもので、シャキシャキとした食感と鼻に抜けるからしみその風味が絶妙だ。今日まで昔ながらの製法でつくり続ける専門店、森からし蓮根の「からし蓮根」が、今回観光庁長官賞を受賞した。
からし蓮根は、熊本藩の賄い方だった同店の先祖、平五郎が、1632(寛永9)年に病弱だった時の藩主、細川忠利公に献上したのが始まりという。以来約390年、江戸時代の伝統製法を守り、1本1本丁寧に手づくりしている。そのまま輪切りにして本来の風味を楽しむほか、しょうゆやマヨネーズを付けて食べるのもお薦めだ。
審査会では、丁寧につくられ、伝統ある味が守られている点を評価。シンプルなパッケージデザインも「職人の味に対する自信がうかがえる」として高く評価された。
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