今日から始める“大人”健康生活 Vol.27 侮るとちょっと怖い症状⑧ 手足の冷え

血流を促して冷えを改善 手足の関節体操

腕グルグル体操

両足を肩幅くらいに広げて立ち、右腕は後ろ回し、左腕は前回しを同時に行う。20回行ったら、次は両腕を20回それぞれ逆向きに回す。

指でグーパーじゃんけん

素足になっていすに座り、足の指を開いたり閉じたりを繰り返す。慣れてきたら、左右の足でじゃんけんをしてみる。

寒い季節でもないのに手足が冷たい、手足が冷えて眠れない、便秘や下痢になりやすい……。こんな自覚症状がある人は、冷え性かもしれません。冷え性は、血流が悪いために毛細血管に温かい血液が流れず、血管が収縮して手足が冷えてしまう状態を指します。体が温まらないので、気温に関係なく冷えの症状は起こります。

原因としてまず挙げられるのは運動不足です。運動不足は体の代謝を低下させ、血液の循環を悪くします。また、筋肉の働きが悪くなると熱を生み出せず、体を温められなくなります。女性はもともと筋肉量が少なく冷え性が多く見られますが、男性にもあります。加齢による筋肉量の低下、冷房の効いた部屋で過ごす時間の増加、コロナ禍の自粛生活などが重なり、知らぬ間に手足が冷えている可能性があります。ほかにも、食生活の乱れや冷たいものの取り過ぎ、ストレスによる自律神経の乱れ、喫煙なども要因となります。

たかが冷えと放置すると、手足の皮膚炎、関節炎、血圧上昇、慢性疲労、内臓機能や免疫機能の低下、睡眠障害などを招く恐れがあります。足先まで布団を掛けないと眠れない、残暑の季節でも湯船の温かさが心地良い、指先や爪の色が悪いなどが思い当たる人は要注意です。冷えを改善するには、全身を冷やさないことが肝心です。まずは服装をこまめに調節しましょう。歩く機会を増やしたり、手足の関節を動かしたりするのも有効です。さらに40℃程度の湯船に漬かる、温かい飲み物を飲んで体を内側から温めるのも効果的です。

こうして生活習慣を見直していけば、徐々に良くなっていくでしょう。それでも症状が一向に改善されず、しびれや関節痛、感覚が鈍くなる、冷える部分の傷が治りにくい、左右の手足のどちらかだけが極端に冷えるといった症状を伴う場合は、冷えの原因となるほかの病気が隠されている可能性があるので、一度受診をお勧めします。

福田千晶(ふくだ・ちあき) 医学博士・健康科学アドバイザー 1988年慶應義塾大学医学部卒業後、東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学科に勤務。96年よりフリーランスの健康科学アドバイザーとして、講演、執筆、テレビ・ラジオ番組への出演などで幅広く活躍。また、診療所などで診察を担当するほか、産業医として企業の健康管理や健康啓発にも携わる。主な著書に『メタボがわかれば寿命がのびる!』(白夜書房)、『体脂肪を燃焼させるスロートレーニング』(永岡書店)など多数

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