昔から健康食品として親しまれているこんにゃくは、今やダイエット食品に欠かせない一品。刺し身、玉、糸、デザートこんにゃくまで市場にはさまざまなこんにゃくが出回っているが、赤い色をしたこんにゃくにお目に掛かる機会はめったにない。通称「赤こん」こと「赤こんにゃく」は近江八幡市で製造されている郷土のこんにゃく。近江八幡ではおでんもみそ田楽も赤こんを使用。普通のこんにゃくより一般的に食べられているなじみの味だ。
明治24年創業の赤こんにゃく製造元「乃利松」によると、こんにゃくが赤いのは、織田信長が赤の長襦袢(じゅばん)をまとい踊り狂ったと伝わる近江八幡の奇祭「左義長まつり」に由来するとか。まつりでは信長をしのび、山車に炎を象徴する無数の赤紙を飾って町内を練り歩くという。赤色は食品添加物(三二酸化鉄)の着色で、鉄分が取れることから〝鉄骨こんにゃく〟とも呼ばれている。もちろん無害だし、辛くない。
つるりとした見た目通り、口当たりはなめらかで案外弾力性がある。普通のこんにゃくと同様に調理して食べるが、バーベキューで肉の代わりに焼いたり、細く切ってチンジャオロースーに入れたりしてもうまそう。
Data
社名 : 乃利松食品吉井商店(のりまつしょくひんよしいしょうてん)
所在地 : 滋賀県近江八幡市為心町上21
電話 : 0748-32-2475
HP : http://www.norimatu.com/index.html
【近江八幡商工会議所】
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