日本・東京商工会議所、日本経済団体連合会、経済同友会の経済3団体は5日、新年祝賀会を都内のホテルで開催した。コロナ禍の影響で人数制限をした祝賀会には、岸田文雄首相や全国の経営者ら約600人が出席。3団体を代表してあいさつした日商の小林健会頭は「経営者の責務は、経済価値、社会価値、環境価値の三つを同時に追求すること、自社を成長させると同時に社会に責任を持ち、貢献することだ」と強調し、成長と分配の好循環の実現に向け、「今こそ、われわれ企業経営者も果敢に変革に取り組もう」と呼び掛けた。
小林会頭はあいさつで、長引くコロナ禍について、「コロナと共生しつつ経済社会活動を回していくウィズコロナ時代がようやく定着しつつある」との認識を示すとともに、内外の大きな環境変化については、「デフレマインドやコロナマインドから脱却し、わが国経済を停滞から成長へと転換させる好機を提供しているともいえる」と指摘。変革と成長の実現に向けて、「民間投資の強力な後押し」「持続的な賃上げの環境整備」「エネルギーの安定供給の確保」の3点について官民で連携していくことの重要性を強調した。
また、経営者の責務について、「経済価値、社会価値、環境価値の三つを同時に追求すること、すなわち、自社を成長させると同時に、社会に責任を持ち、貢献することだ」と指摘。成長と分配の好循環の実現に向け、「今こそ、われわれ企業経営者も果敢に変革に取り組もう」と呼び掛けた。
岸田首相はあいさつで「日本経済の長年の課題に終止符を打ち、新しい好循環の基盤を起動する」「異次元の少子化対策に挑戦する」の2点を強調。「官と民の新たな連携の下で、賃上げと投資という二つの分配を強固に進める」との考えを示した。
5月に開催する広島サミットについては、「G7と世界の連帯を示していく」と強調。感染症対策や地球温暖化など地球規模課題においても、リーダーシップを発揮していく考えを示した。
また、祝賀会後に行われた「経済三団体長共同記者会見」には、日商の小林会頭のほか、経団連の十倉雅和会長、経済同友会の櫻田謙悟代表幹事が出席。小林会頭は、日本経済の見通し、春季労使交渉、日本経済活性化・競争力強化、取引適正化などについて所見を述べた。
小林会頭は、取引適正化について、「『パートナーシップ構築宣言』の推進と実効性向上に向けて、経団連と経済同友会と3団体連名で会員企業に呼び掛けを行う」との考えを表明。「宣言の実効性が高まれば、取引の適正化が図られ、最終的には自社の賃上げ原資の確保にもつながる」と述べ、3団体で協力して企業に呼び掛ける考えを示した。
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