農林水産省は2月3日、「2022年の農林水産物・食品の輸出実績」について、過去最高の1兆4148億円(前年比14・3%増、1766億円増)となったことを発表した。多くの国・地域で、外食向けがコロナによる落ち込みから回復したこと、小売店向けやEC販売などの販路への販売が引き続き堅調だったことなどに加えて、円安による海外市場での競争環境の改善も追い風となり、農産物、林産物、水産物共に多くの品目で輸出額が伸び、総額も増加。日本政府が一体となって進めてきた輸出拡大の取り組み(輸出支援プラットフォームの設立、水産加工施設などの整備など)も輸出を後押しした。
輸出額の増加が大きい主な品目を見ると、ホタテ貝(生鮮など)271億円増(前年比42.4%増)が最多。次いで、ウイスキー99億円増(同21.5%増)、青果物91億円増(同24.3%増)、ブリ81億円増(同32.7%増)、清涼飲料水76億円増(同18.8%増)、牛乳・乳製品75億円増(同30.9%増)、日本酒73億円増(同18.2%増)、真珠67億円増(同39.1%増)の順で多くなっている。 ホタテ貝は、米国の生産減少により、米国および中国向けが増加したことに加え、国内主産地である北海道の生産も順調だったことから40%超の高い伸び。ウイスキーは、世界的な知名度向上により、従来の中国、米国といった輸出先に加えて、シンガポール、英国向けでも拡大した。青果物については、香港、台湾を中心にリンゴやイチゴなどの贈答用、家庭内需要などにより輸出が増加している。
輸出額の増加が大きい主な国・地域を見ると、中国が559億円増で最多。次いで、米国256億円増、台湾244億円増、シンガポール153億円増、韓国140億円増の順で多い結果となった。 輸出総額では、中国2783億円(前年比25・2%増)、香港2086億円(同4・8%減)、米国1939億円(同15.2%増)、台湾1489億円(同19.6%増)、ベトナム724億円(同23.8%増)の順で多くなっている。
詳細は、https://www.maff.go.jp/j/press/yusyutu_kokusai/kikaku/230203.htmlを参照。
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