真岡商工会議所(栃木県)は、真岡市の花である綿(わた)の種まきから収穫までを体験する全3回の「綿づくり体験」事業を毎年実施している。真岡は江戸時代、綿花の一大栽培地であり、上質な木綿を産出して木綿の代名詞といわれるほど隆盛を極めた。しかし、明治時代以降は輸入綿に押されて衰退し、戦後、木綿づくりはほとんど途絶えてしまったという。そこで1986年に商工会議所が中心となって真岡木綿の復興を図り、真岡木綿保存振興会(現・真岡木綿会館)を設立して昔ながらの技術と伝統を受け継いできた。
綿づくり体験は、2008年から毎年綿の栽培時期に実施し、今年で10年目だ。今回は、大人と子ども30人が市内外から参加。5月13日には真岡木綿会館の織姫(おりこ)の指導の下、真岡りす村ふれあいの里わた畑での種まきと真岡木綿会館での機織りを体験し、8月5日には実をたくさんつけるように先端の芽を摘む「芯摘み」と草取り、藍染め体験を行った。10月14日には綿摘みとリースづくり体験を行う予定だ。「体験を通して、綿と伝統工芸の真岡木綿を多くの人に知ってほしい」と同所は話している。
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