鯖江商工会議所(福井県、加藤団秀会頭・加藤吉平商店)や市は、ゼロコストの電子契約導入を目指す実証実験を開始する。実証実験は、書面の代わりに当事者間で暗号を活用して電子契約を行うもの。書面の押印、書面の受け渡し、印紙や使用料がなくなるほか、当事者同士での契約のため、データが流出する可能性も軽減され、作業の効率化やコスト削減も期待できる。
電子契約で使用するのは、ハンコに代わる電子署名ツール「Hanko」。契約を交わす事業者の両者、市はそれぞれ秘密鍵、公開鍵を生成し、事業者は、登記簿謄本や本人確認と合わせて市に自社の公開鍵を提出する。市は、その公開鍵が事業者のものであると電子署名したデータを発行。事業者が互いに契約文書に電子署名し、証明書を添付することで電子契約が成立する仕組み。二つの鍵を活用することで、電子証明書発行時に認証局に払う費用や印紙税がかからず、なりすましなどの不正を防げるなどのメリットがある。まずは同所が第一事業者となって市との契約をスタートし、無理なく安心して運用できる手順やツールを模索していく。
5月25日には、同所で実証実験の説明会を実施。加藤会頭は、「鯖江市と鯖江商工会議所との電子契約を開始して市内の一般企業にも普及することを望みたい」と意気込みを見せた。同所では、実証実験の開始に当たり、契約書のデジタル化にチャレンジしたい人、市との契約業務が発生する人、秘密鍵の管理方法を検討できる人などを対象に、電子契約に興味のある市内企業を募集している。
(画像:公開鍵暗号技術を使った電子署名をスマホから実際に体験した加藤会頭(左)と佐々木市長)
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記事提供: 日本商工会議所
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