備前商工会議所
焼き物には美術的価値が高く贈答品や調度品、美術品としての食器や花瓶といった作品が多く、用途が限られている。近年では自宅などへの訪問客も減り、その価値を披露する機会も激減している。こうした状況に危機感を抱いた備前商工会議所は、多くの人、特に若年層に備前焼の認知度を高めようと、これまでにない「身に着ける備前焼」「香る備前焼」という新しい試みの普及活動を行っている。
そのきっかけは、硬度が高いという特徴を持つセラミック質の備前焼にレーザーカット技術が導入されたことだ。これで直角な版面の製作が可能となり、さらに、象嵌技法も加わったことで繊細な模様や絵柄などを白抜きでポップに見せることに成功。この技術は社章やネクタイピン、キーホルダーなどに活用されたが、それだけでは印象が薄いと、備前焼表面の微細な凹凸(多孔質)にアロマオイルや香水を定着させることにも挑戦し、見事成功した。その香りは、焼き上がりにより持続時間が半日~1日と異なるものの、女性の目に留まる商品の開発にいたった。
こうした備前焼の普及に一役買ったのが、北海道の某有名番組だ。担当ディレクターは備前焼のビアマグ愛用者であり、番組の公式グッズとしても備前焼のバッジが売られている。
備前焼を身に着け、香りを楽しむなど、その魅力は拡大されつつあり、多様性に富んでいる。
お問い合わせ
所在地:岡山県備前市東片上230
電話:0869-64-2885
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