サプリメントは、一般的に「特定の成分が凝縮された錠剤やカプセルの形態の製品」と考えられていますが、実はこの用語に行政的な定義はありません。そのため、サプリメントの種類は食品や飲料、菓子、医薬品と似た錠剤やカプセルなどと多岐にわたります。食品の中には、栄養補助、機能性、保健機能、特定保健用、栄養機能などの名称が付く食品もあります。これらは国が機能などの表示を許可しているものとそれ以外に分類されますが、後者もサプリメントに属します。
サプリメントの健康効果を否定はしません。健康維持や回復のために必要なものを利用するのは良いと思います。例えば、日本人は全般にカルシウムが不足しがちなので、サプリメントで補うのは一つの方法です。また、鉄分が欠乏して貧血気味な人が、サプリメントの摂取で検査の数値が回復したという例もあります。しかし、効果に関してエビデンスがない製品が多いのが現状です。中には、サプリメントを飲み始めたことで肝機能の検査数値が異常値を示すようになり、内服を中止し少したってから回復したなど、副作用が疑われる事例もあります。サプリメントを検討する際は、自分の生活や健康状態をよく観察することが重要です。
また、1日の活動量が多い、減量のため食事制限中、妊娠中など、食生活が偏っていたり、バランスの取れた栄養補給が難しかったりする場合の利用がお勧めです。選ぶときには、成分表示をよく読み、「有効成分の○○配合」という表記は過信せず病気を治すものではないと心得る、体験談や口コミは参考程度にし、「価格=効果」と考えず成分内容で決めるなどのポイントを押さえましょう。
取り始めたら、より一層自分の健康管理に努めることが大切です。しばらく続けて改善効果が感じられないとき、自己判断で量を増やす、何種類も併用するのはNGです。もし具合が悪くなったら、まずは利用を中止し、症状が改善するか様子を見ましょう。症状が軽いときは販売元に相談するのも良いですが、症状が続く場合には医療機関を受診した方が安心です。
最新号を紙面で読める!