日本容器包装リサイクル協会(容リ協)では、ガラスびん、PETボトル、紙製容器包装、プラスチック(プラスチック製容器包装およびプラスチック製品)のリサイクルを行っています。前回のPETボトルに引き続き、今回はプラスチックのリサイクルに焦点を当てて解説します。
二つの手法でプラごみを再製品化
容リ協では、「材料リサイクル」と「ケミカルリサイクル」の二つの手法で、プラスチックのリサイクルを実施しています。材料リサイクルとは新しい製品の原料として再利用する手法です。各家庭から分別排出されたプラスチックごみが、異物の除去、洗浄、破砕などの処理を経て、ペレット(粒状にしたもの)、フラフ(レジ袋などのフィルム類を破砕したもの)などのプラスチック原料になります。
このプラスチック原料を元に新たな製品がつくられます。一例を挙げると、工場などで物を運ぶ荷台となるパレット、マンホールのふたや車止め、プランターなどです。
ケミカルリサイクルとは熱や圧力を加えることにより化学的に処理し、他の物質に転換してから再利用する手法です。
レジ袋がガスや油に
ケミカルリサイクルの一例を図に示します(下図参照)。レジ袋は、「ポリエチレン(PE)」というプラスチックの素材からできています。ポリエチレンは、水素(H)と炭素(C)が結び付いたものです(ア)。そのポリエチレンを燃やすのではなく、無酸素状態のまま高温で加熱することで、つながっていた分子がバラバラに分解されます(イ)。その後、再び合成することで(ウ)、新たなガスや油などに姿を変えることができるのです。
なお、現時点において容器包装リサイクル法で認められているケミカルリサイクルの方法は、コークス炉化学原料化、ガス化、高炉還元剤化、油化の4種類です。
皆さんが排出したプラスチックごみは、このようにリサイクルされています。当協会ホームページの「リサイクルのゆくえ」では、リサイクルの流れ、リサイクル製品などをご確認いただくことができます(下記参照)。
https://www.jcpra.or.jp/recycle/recycling/tabid/428/index.php
プラスチック以外の素材の情報もありますので、ぜひご覧になってください。
公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会▶https://www.jcpra.or.jp/
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