同じ季節、同じ環境にいても、風邪をひきやすい人とそうでない人がいます。この違いは、主にその人が持つ免疫力と、喉や鼻の粘膜がウイルスの侵入を防ぐバリア機能がきちんと働いているかどうかにあります。
睡眠不足や栄養の偏り、ストレスの蓄積、運動不足、冷えなどの生活習慣に、乾燥、人混み、寒暖差といった環境要因が重なると、免疫細胞の働きは鈍り、粘膜機能の低下を招いて、風邪をひきやすくなります。一方、風邪をひきにくい人は、規則正しい生活を心掛け、バランスの取れた食事や適度な運動で免疫力を保ち、マスクや加湿で喉の潤いを維持している傾向があります。
感染症予防というと“免疫力を高める”ことが強調されがちですが、大切なのは必要なときに免疫力をきちんと〝使える〟状態にしておくことです。免疫は、単に高ければいいというものではなく、睡眠不足や過労、ストレスが続けば、本来の力を発揮できません。普段は健康なのに、忙しい時期に限って風邪をこじらせるのは、免疫力がうまく使えなくなっているサインとも言えるでしょう。
では、免疫力を適切に使うには、何に留意すればよいのでしょうか。風邪をひきたくない時期や、家族に感染者がいる場合は、特に睡眠と食事を整えることが基本です。その上で、マスクの着用や小まめな手洗い、室内の加湿と換気を徹底し、タオルや食器の共用を避けるなど、ウイルスを体内に入れない工夫をすることが重要です。これらは、免疫細胞の負担を減らし、「ここぞ」という場面で免疫力を発揮する助けになります。
高血圧や糖尿病などの持病がある人は、免疫力が低下しやすい傾向にあります。まず、持病の治療を中断せず体調を安定させておき、感染症予防の意識を緩めないことが大切です。
感染症は、自分一人の問題にとどまらず、家族や職場、地域へ広がる可能性があります。感染症リスクの高いこの時期は、一人一人が生活を見直し、冷えやストレスを避け、必要なときに免疫力をしっかり使える状態をつくりましょう。それは自分を守るだけでなく、周囲の人を守る行動でもあるのです。

