日本商工会議所の小林健会頭は5月25日、定例記者会見に臨んだ。小林会頭は、中東情勢の影響によるナフサ由来製品の不足について、過去のオイルショックの経験から、当面の国内需要に対応できる量を確保している旨の説明が政府からあったことを踏まえ、「流通の目詰まりについては、原料となる石油の目詰まりに起因するものと、海外から製品が輸入されないことに起因するものの二つに分けて考える必要がある。製品が輸入されない問題については、どこで生産され、実態がどのようになっているのかなど、政府も相当程度把握していると思うが、どのような手を打つのかが重要」との見解を示した。
加えて、商工会議所の相談窓口への相談件数が5月の大型連休以降急増し、累計1000件を超えている点に言及。「注文はあるが原料が届かず製品が作れない」といった流通の目詰まりに対する事業者からの不安の声を紹介するとともに、目詰まり解消に向け将来の不安から必要量を上回る発注をする動きを緩めるなど「経済の血流をスムーズにするよう努力してほしい」と呼び掛けた。
政府が検討している補正予算については、中東情勢を考慮した上で「通常予算とは別に補正予算を組むということは納得できる」と評価。「緊急に財源を確保するために赤字国債を発行することはやむを得ない展開」と述べた。併せて、高市内閣発足以降、予見可能性を高める複数年度予算を作成する方針が示されていることについても「大変適切なこと」と語った。
日経平均株価が史上最高値(会見当時)を記録したことについては、「日本経済全体が高く評価されたというよりも、AIや半導体、IT関連といった一部の銘柄がけん引している結果だと捉えている」と説明。一方で、大企業が海外で稼得した利益を日本国内に投資せず、海外で再投資する構造が定着していることに触れ、「日本の資金が海外市場の株価を押し上げる一因となり、日本における『実感を伴わない繁栄』を生み出している」と述べ、繁栄の恩恵が中小企業に行き届いていない現状に警鐘を鳴らした。同時に、引き続き、政府会議においても個人消費を増やすためには国内投資を増加させる必要があることを強く主張していく姿勢を示した。
