日本商工会議所は7月15日、重要政策課題などを議論する夏季政策懇談会を都内で開催した。会合には日商の小林健会頭をはじめ、副会頭、特別顧問、常議員、議員、各委員会委員長、専門委員長など64人が出席したほか、全国の商工会議所からオブザーバーとして210人が参加し、「変革と価値共創による日本経済の再出発」を全体テーマに中小企業や地域の「稼ぐ力」の強化などについて活発な意見交換を行った。
小林会頭は冒頭のあいさつで「中東情勢に端を発する不安が続いているが、日本経済の状況は決して悪くはない」との見解を強調。成長型経済への転換を果たす正念場であることから、その主役である中小企業・小規模事業者の持続的賃上げの実現に向け、価格転嫁や生産性向上による「稼ぐ力」の強化を訴えた。加えて「地域の経済好循環」を強く・太くするための良質な雇用を生む「稼ぐ産業」の創出・育成と、魅力あるまちづくりの重要性を主張した。
会合は2部構成で開催し、第1部では①中東情勢による企業経営ならびに地域経済への影響②中小企業・小規模事業者の稼ぐ力の強化③地域の稼ぐ力向上による経済好循環――の三つの視点で議論。第2部では三つの分科会に分かれ「商工会議所の活動・機能強化」をテーマに地域総合経済団体である商工会議所に求められる役割や商工会議所運営などについて先進的な取り組み事例を踏まえながら討議した。
第1部では①について「エネルギー価格高騰によるコスト上昇の吸収は限界であり、価格転嫁が重要。将来に備えた省エネやカーボンニュートラルの推進にも引き続き取り組む必要がある」「中東情勢を機にナフサなどによらない技術開発を行ったが、こういった技術が中東問題の終結と同時に後退しないような政策を進めていただきたい」などの意見が出された。
②については「地方の人手不足が深刻な中、省力化・人材育成・多様性の推進が重要。行政や専門学校などと連携し、学生の地元定着を促すことも必要」「大企業と地方の中小企業の二極化が進行しており、AI・DX活用においても二極化が進行している。この進行具合のタイムラグを埋めるためにもAI・DX導入に向けた積極的な支援策が必要」などの声が寄せられた。
③については「産業構造の転換に伴い、既存の中小企業への影響が大きくなっていることから、価格転嫁や攻めの投資、人材確保に対する実行性のある支援が必要」「都市機能の弱体化が進む中、商工会議所や民間が主体となることが重要。『ローカルファースト』の視点で、若者や女性に選ばれる魅力あるまちづくりを進めるべき」との指摘があった。
