日本商工会議所の小林健会頭は9月3日、定例記者会見に臨んだ。小林会頭は、各都道府県による最低賃金改定額について「現時点で中央最低賃金審議会が示した引き上げの目安額を上回る地域が32府県あり、使用者側としては非常に厳しい結果」との見解を表明した。一方で「昨年、一昨年に比べると、都道府県間の横の競争による地方行政からの介入も減減少し、大幅に上がるということがなくなった。従来の決め方にのっとって結論が出された」と述べるとともに「最低賃金の決め方をどうすべきかについては、少し時間をかけて検討したい」との考えを示した。
小林会頭は最低賃金の改定について、「全体的には厳しい結果だが、従来の決め方から大幅に逸脱しておらず、ひとまず一段落したと受け止めている」と述べた。併せて、最低賃金の審議や決定については、「三つの要素(賃金・生計費・支払い能力)に基づき審議をして決めるもの」と改めて指摘。春闘に代表される市場原理や民間の労使交渉による通常の賃金の決定とは性質が異なることから「重々留意して進めるべき」と強調した。
労働基準監督署による時間外労働の指導見直しについては、従来からの経済界の要望が反映されたことを歓迎した。また、中小企業の強みや活力は「柔軟性」であることを踏まえ、「従業員の健康確保をベースに置きながら、中小企業が持つ『柔軟性』を生かした事業運営がなされるよう、商工会議所としても活動を推進していく」と語った。
非上場株式の評価方法見直しについては、根幹の仕組みを新たな法律ではなく通達のみで改変しようとしている点を批判。「事業承継を諦める企業の増加や、特に地方産業の衰退を招きかねない」と述べ、併せて「ひいては、日本経済を支える中小企業全体の活力が失われかねない」と危機感をあらわにし、十分な議論を求めた。
長期金利の上昇については、「日本における金利水準は、依然として金融緩和状態の中での調整である。マネーが瞬時に世界中を回る状況の中、日本だけがいつまでも緩和状態を継続することは困難」との見方を明らかにした。加えて、原材料費の高騰など為替リスクを相当に負っているのは中小企業であることから「為替が持ち直すことを強く望んでいる」と訴えた。
