北前船寄港地の歴史など生かす
小松商工会議所と小松市、同市安宅(あたか)町でつくる「花の安宅新名物開発事業プロジェクト委員会」は、今春「安宅浪漫(ろまん)」と名付けたブランドを創設し、新商品4点を含む地域の特産品19品を同ブランドに認定した。同委員会は、江戸時代から明治時代にかけて北前船(きたまえぶね)の寄港地として栄えた安宅町が、2018年5月に日本遺産に登録されたことを機に、19年5月に発足。以来、全国に周知されるようなブランドの構築と新名物の開発に取り組んできた。
安宅町は、北前船で運ばれた食材を生かした伝統的な発酵食が残っており、歌舞伎「勧進帳(かんじんちょう)」の舞台となった「安宅の関」でも知られる。ブランド構築に当たっては、昨夏から参画事業者や地域住民、専門家らとともにブランドの定義やロゴマーク、パッケージデザインなどを検討。同時に新名物として「こんかにしん(ニシンのぬか漬け)のクリームチーズスプレッド」や「北前船サブレ」「酒粕(かす)と味噌(みそ)のショコラ」、絹タオル「雪肌づくり」を開発した。今年2月には日本商工会議所主催の共同展示商談会「feel NIPPON 春2020」へ出展し新商品を披露。首都圏バイヤーとの商談、マーケティング調査を行った。
安宅浪漫認定商品は、今後赤色と格子模様の六角形のロゴマークを付け、市内外の土産物店や通販サイトなどで販売される。同所担当者は「地元の人が誇りに思う特産品を選んだ。安宅の商品の魅力を全国に広めたい」と意欲を見せる。