大阪商工会議所は6月18日、SDGsの浸透を目指して、全国の商工会議所で初となるSDGsに関するウェブサイトを開設した。SDGsとは、2030年までに持続可能な社会を実現するための開発目標として国連が掲げた17の目標のことだが、具体的な対応策についてはまだまだ認知されていないのが現状だ。同所は、日常の企業活動がSDGsにつながることを知ってもらう目的で、「SDGs取り組み診断」を設けたほか、取り組み事例なども紹介し、活用を呼び掛けている。
「SDGsにどう取り組めばいいのかよく分からない……」。そんな悩みを抱えている会員企業の声を受け、同所は、実践可能な身近な目標に取り組んでもらえるようにと工夫した専用ウェブサイトを開設して、SDGsの普及に乗り出した。
同サイトの特徴は、中小企業が簡単に取り組めるよう、「SDGs取り組み診断」で自社の取り組み状況について3段階で自己採点すると達成度が分かるようにしていること。これにより、普段の業務がSDGsにつながっていると意識され、自社の強みを生かした目標を設定して実現することが可能になる。また、事例紹介では、関西の6社2団体の取り組みをピックアップ。今後も掲載事例を増やしていく予定だ。
SDGsの17目標は、「飢餓をなくそう」「住み続けられるまちづくりを」「海の豊かさを守ろう」など、社会貢献的な色彩が色濃く、抽象的な概念を掲げていることから、浸透していないのが現状。そこで、同所では、SDGsの活用によってビジネス機会の拡大、新商品や新サービス、新規事業開発などにつながる、ブランド力の向上といった好影響の可能性をアピールしていく姿勢だ。同所は今後、SDGsをテーマとしたイベントやセミナーも随時開催していく方針で、中小企業が実現可能な目標を掲げ、それぞれが挑戦していけるよう後押しする。6年後に開催される大阪・関西万博のテーマの一つにもなっているSDGs浸透のきっかけにしたい考えだ。
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