厚生労働省はこのほど、平成29年「賃金引上げ等の実態に関する調査」の結果を公表した。全企業のうち、29年中に「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」と回答した企業は87・8%(28年86・7%)で、28年を上回った。また、29年の1人平均賃金の改定額(予定を含む)は5627円(28年5176円)、改定率は2・0%(同1・9%)で、いずれも28年を上回った。調査は、29年8月に常用雇用者100人以上の企業を対象に行い、1606社からの回答を基に集計した。
一方、「1人平均賃金を引き下げた・引き下げる」と回答した企業は0・2%(28年0・8%)、「賃金の改定を実施しない」は6・3%(同7・1%)となっている。「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」は28年より上昇し、「1人平均賃金を引き下げた・引き下げる」および「賃金の改定を実施しない」は28年より低下している
改定状況について企業規模別に見ると、「1人平均賃金の改定額」は、5千人以上の企業で6896円(28年5683円)、1千~4999人で5186円(同5434円)、300~999人で5916円(同5319円)、100~299人で4847円(同4482円)となっている。「1人平均賃金の改定率」は、5千人以上の企業で2・1%(同1・9%)、1千~4999人で1・8%(同1・8%)、300~999人で2・1%(同2・0%)、100~299人で1・9%(同1・8%)となっている。
29年中に賃金の改定を実施した、または予定していて額も決定している企業について、賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素を見ると、「企業の業績」が55・0%(28年51・4%)と最も多く、「重視した要素はない」を除くと、「労働力の確保・定着」が8・7%(同11・0%)、次いで「世間相場」が5・1%(同4・2%)となっている。企業規模別に見ると、全ての規模で「企業の業績」が最も多くなっている。
詳細は、http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/jittai/17/index.htmlを参照。
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