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スポーツライター 青島健太の注目アスリート 今後の活躍に期待がかかる 卓球界のニューヒロインたち

写真提供:朝日新聞社

2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定して以来、ジュニア世代を紹介するテレビ番組や新聞・雑誌の記事が増えている。5年後に活躍するであろう各競技の金の卵たちが、その意気込みを語る。こうした若い世代のモチベーションが上がることは、紛れもなく東京オリンピック・パラリンピックの効果といえるだろう。

そんな中、卓球界「期待の星」といえば、誰もがこの二人の名を挙げるだろう。平野美宇選手(写真左)と伊藤美誠選手(同右)。ともに中学生、14歳だ。彼女たちがすごいのは、期待の星どころか、もうすでに世界でバリバリに活躍していることだ。

驚きのニュースは、去年飛び込んで来た。平野選手が13歳350日、伊藤選手が13歳160日、二人で組んだダブルスでワールドツアー・ドイツオープンに出場。なんと優勝してしまったのだ。続くスペインオープンでも優勝。もちろん史上最年少記録を更新した。しかも、伊藤選手は、今年のドイツオープンシングルスでも優勝。14歳での優勝も、女子シングルス史上最年少記録である。

しかし、その若さに驚いていると彼女たちの真の姿は見えてこない。なんと二人のコンビ歴は、もう10年以上に及ぶのだ。それもそのはず平野選手が卓球を始めたのは、3歳のとき。伊藤選手も、2歳から卓球をやっている。二人とも幼稚園のときから全日本選手権大会(バンビの部)に出場し、小学生のときにはもうすでに一般の部でも戦っていた。選手としては、トップレベルのステージで、もう10年以上戦い続けているのだ。海外遠征もこれまで何度となく経験し、外国の選手とも数多く対戦している。ダブルスでは、お互いのボールがどこに飛んでくるのか、あうんの呼吸で分かるという。強さの秘密は、それぞれの高い技術と究極のコンビネーションだ。

卓球は反射神経と心理戦のスポーツだ。これだけのキャリアを誇る彼女たちは、もはや若手ではない。シングルスの世界ランキングでも石川佳純選手を追いかけて10位以内を狙う勢いだ。ロンドンオリンピック団体で銀メダルを獲った福原愛選手や平野早矢香選手もうかうかしていられない。しかし、この状況こそが、日本をさらに強くする。卓球は東京を待たずにリオデジャネイロから勝負が始まる。注目は、若きベテランたちの活躍だ。

青島 健太 スポーツライター&キャスター 1958年新潟市生まれ。埼玉県立春日部高校から慶応義塾大学、東芝を経てヤクルト・スワローズに入団。プロ野球初打席で初ホームランを記録。引退後は、オーストラリアで日本語教師を務め、帰国後、あらゆるメディアでスポーツの醍醐味を伝えている。

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