テニスの四大大会である先の全米オープンで、錦織圭選手は優勝こそ逃したものの、抜群のスタミナと集中力で世界中に旋風を吹かせた。
錦織選手躍進の秘密にはメンタルの強さがあるということを忘れてはならない。4回戦でラオニッチ選手(世界ランキング6位)を倒した後には「勝てない相手はもういないと思うので、できるだけ上を向いてやりたい」と言った。その言葉どおりワウリンカ選手(同4位)、ジョコビッチ選手(同1位)も撃破している。
このコメントは、聞きようによってはかなりの自信家の「それ」に思われるが真意は逆だ。13歳から単身アメリカに渡り、テニスの厳しさを嫌というほど味わってきた彼は、軽々に楽天的なことを口にしない。たくさんの敗戦を経て、その中で感じてきたトップ選手たちとの差をやっと克服できそうになってきた実感を素直に発言しているのだ。
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