日本商工会議所は11月20~23日、日中経済協会、日本経済団体連合会と合同で訪中団を派遣した。訪中団には、過去最大規模となる総勢250人が参加し、日中関係のさらなる改善・強化に向け、中国政府幹部らと意見交換を行った。21日には、2年ぶりとなる李克強首相との会談が実現。日商の三村明夫会頭は、中国のグローバル経済に対する取り組み姿勢について、「世界に開放することを求めることは自国経済を開放することである。国益としての『自国ファースト』を主張することは当然だが、世界経済への影響を考えた『自国ファースト』を主張すべき」と述べた。合同訪中団の派遣は2015年から行っており、今回で3回目となる。
訪中団には、日商から三村会頭はじめ、上野孝副会頭(横浜・会頭)、福田勝之副会頭(新潟・会頭)、伊藤一郎特別顧問(東京・副会頭)、朝田照男特別顧問(東京・特別顧問)らが参加した。三村会頭は李首相との会談で、中国日本商会が中国に進出している日本企業のビジネス環境改善に向けた建議・要望を毎年取りまとめた上、関係官庁との間で対話を行い、一部解決策が提示されていることを紹介するなど、引き続き対話・交流活動への後押しを要請した。また、東京、長野、新潟などを含めた東北地方の食品に対する輸入禁止政策の緩和・撤廃も要望した。
李首相は、「中国経済が現在の水準を維持して、持続的、安定的に発展するためには改革・開放を推進する必要がある」とし、サプライサイドの構造改革や市場の活力を開放して国有企業改革を引き続き推進する方針を表明した。また、「改革と開放は単なるスローガンではなく理念である。開放は改革を導くので中国の開放とグローバル化の発展の方向は一致している」と述べた。輸入禁止政策については、「両国の関連部門が引き続きこの分野での意思疎通を行い、国民や市場に対して、正しいシグナル、客観的な情報を発信していくことを希望する」と回答した。
訪中団はこの他、国家発展改革委員会や商務部、工業信息化部など主要経済官庁幹部との交流会や日中企業家対話を実施した。
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