特別賞(2カ所)
函館(北海道)
青年部の提言による新幹線を生かした念願のフルマラソン実現
函館市では、平成3年よりハーフマラソン大会が開催されてきたが、フルマラソン実施については、運営体制・費用面など課題が多いことから実現が難しいとされてきた。
こうした現状を打破するべく、函館商工会議所青年部が23年に「フルマラソン検討委員会」を立ち上げ、函館市教育委員会との協議を開始。同所会頭と共に、函館市長や北海道知事への要望活動を展開。
また、実現に向け、道路許可をはじめとする警察、地域住民・地元企業への説明、開催経費の調達など同所が主体的に粘り強く取り組んだ結果、北海道新幹線開業3カ月後の28年6月にフルマラソン・ハーフマラソン同時開催による第1回大会が行われ、全国から7935人がエントリーした。
29年7月の第2回大会にも8130人がエントリーし、日本陸連・国際陸連公認コース大会として函館市内近郊以外からの宿泊を伴う参加者も大幅に増加。経済波及効果は年約5.6億円とされ、初夏の国内スポーツコンベンションとして人気定着を目指している。
長浜(滋賀県)
戦国の舞台と観音の里のおもてなしの観光食とツアー開発
長浜市は商店街再生のため、歴史と芸術を活用した観光都市として名を馳せている。
一方、再生モデルである黒壁ガラス館と周辺街並みへの日帰り観光が中心で、市域の豊富な歴史、文化資源である観音の里・戦国の舞台のまちなどへの広域周遊観光につながっていないこと、長浜ならではの食が少ないこと、市民のおもてなし精神の希薄化が課題となっていた。
長浜商工会議所では、事業連携ツアーの企画販売を行う「北びわこふるさと観光公社」を自治体、観光協会などと平成25年に設立。26年には「湖北の食文化活用推進委員会」、28年には「北びわ湖国際観光推進協議会」を組織し、事業者・市民の意識啓発やインバウンド推進などに取り組んだ。27年には、心を観光の〝光〟とした観音の里、戦国の舞台巡りの観光周遊コースと食文化を活用した「さば寿司ご膳」「ハレの日ご膳」「報恩講ご膳」などの食の開発を行い、29年にはPRと定着を目的に通年で27回のツアーを実施。裾野の広い観光産業の経済効果を見込んでいる。
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