振興賞(2カ所)
新庄(山形県)
雪を活用した冬季観光商品・観光コンテンツ開発事業
山形県新庄市は、平成28年にユネスコ無形文化遺産にも登録された夏の「新庄まつり」が有名だが、2メートルの積雪に閉ざされる冬季は著しく観光客が減少し、年間を通した誘客が課題となっている。
新庄商工会議所は、今まで地域のマイナスとされてきた雪に着目し、26年にJR新庄駅近くの公園を雪遊びのフィールドとして整備し、スノーモービル、バナナボード、そり滑りなどが体験できる「雪国ワンダーランド」を開設した。
27年の本格オープン後には、雪遊びガイドの養成も始まり、きめ細やかなおもてなしが高い評価を得ている。29年の来場者数はオープン当初から前年の10倍に増加し、雪が珍しい台湾の旅行会社へのPRや旅行博への出展といったプロモーション活動も積極的に展開している。28年から、午前2時過ぎに大小さまざまな除雪車が一斉に出動する「真夜中2時の除雪車見学・かんじき体感ツアー」を実施。27年からは、山形さくらんぼ鶏、とりもつ、馬ガッキ(スジ肉やアキレス腱などの部位)といった冬に特化した新庄のソウルフード開発にも取り組んでいる。
鳥取(鳥取県)
鳥取県は「星取県」に ~地域資源発掘とブランドイメージ構築~
鳥取商工会議所は、「日本一美しい星空」(環境省の全国星空継続観測で日本一獲得回数1位)という地域資源に着目し、平成28年に日本全国および鳥取県、鳥取市の住民に「日本一美しい星空」を認知してもらえるよう「星取県」と命名。出版社・大手メディアなど110社へのPRや鳥取県・鳥取市への星空保全条約制定などの提言書を提出した。29年には同所青年部、鳥取県知事、観光団体、天文学関係者、宇宙関連企業で構成される星取県推進会議を発足した。
9月12日の「鳥取県民の日」には、同所青年部と鳥取県主催でライトダウンイベントを実施。テレビに6回、新聞に5回(うち1回は全国版)とメディアに多数取り上げられた。また、星取県ラベルビール(サッポロビール)の発売や星取県切手の作成にも着手した。
今後は全国と比較し、晴天日数が少ない中でのさらなる観光メニューの充実や星取県の世界への発信など、誘客に向けた取り組みが期待される。
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