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下請等中小企業のための価格交渉術ーこんな取引条件に要注意!! vol.3

わが国経済の好循環を実現するためには、「下請等中小企業」の取引条件を改善することが重要です。本コーナーでは、価格交渉力の強化に向けて、どのような取引行為が親事業者の法令違反に該当する恐れがあるのかなどについて解説します。今回は「原材料価格、エネルギーコスト、労務費などの上昇の取引価格への反映」についてご紹介します。

コスト増分の転嫁が認められない場合の対応は?

原材料価格、エネルギーコスト、労務費などの上昇や、環境や安全面での規制対応に伴うコスト増であるにもかかわらず、不当に従来の取引価格で納入させた場合、下請代金支払遅延等防止法(下請法)や独占禁止法に違反する恐れがあります。

【チェックポイント】
□自社の企業努力では吸収しきれないコスト増分の転嫁を発注者に求めたにもかかわらず、取引価格が据え置かれていませんか。
□原材料などについて自社調達する受注者が、市況価格に応じたコスト増分の転嫁を発注者に求めたにもかかわらず、発注者が安価な大手メーカー支給材価格(集中購買価格)を踏まえた取引価格を押し付けられていませんか。

【相談事例】
Q.原材料価格、エネルギーコスト、労務費などの上昇に伴うコスト増であるにもかかわらず、従来の取引価格に反映してもらえず、価格が据え置かれています。どのように発注者側との交渉を行うべきなのか、対応の仕方を教えてください。

A.発注者側が労務費などの値上がりに伴うコストの上昇分について価格への転嫁を認めてくれない場合には、①原材料コスト上昇の根拠を明確化するため、原材料の内訳を明確化し、その価格の推移表を作成すること、②実際に負担したエネルギーコストを提示するため、電気料金の本体価格だけではなく、燃料費調整額なども含めた電気料金全体のデータを電力会社から収集するなど、データの根拠を示すこと、③人手不足や最低賃金の引き上げに伴う労務費上昇による生産への影響を発注者側に説明し、製品価格の見直しを要請すること、が肝要です。なお、このような交渉経緯は、書面(議事録など)で残すように心掛けましょう。

【個別相談指導のご案内】
〇専門家が相談企業へ出向いて、取引先との価格交渉を行う際のノウハウなどについて指導します(1回の指導は最大6時間まで。費用は3回まで無料)。
〇詳細は(公財)全国中小企業取引振興協会「価格交渉サポート相談室」へ。
TEL:0120-735-888
http://www.zenkyo.or.jp/kakakusupport/index.htm

提供
公益財団法人 全国中小企業振興機関協会
下請取引適正化の推進を目的に、全国48カ所に設置された「下請かけこみ寺」を中小企業庁の委託により運営するなど、中小企業支援機関として各種事業を実施しています。http://www.zenkyo.or.jp

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