日本商工会議所はこのほど、8月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果とともに、東日本大震災後の電力料金の上昇による経営への影響について、全国の企業にヒアリングした結果を発表した。経営に「悪影響がある・懸念がある」と回答した企業は62・7%に上った。
今後も震災前より高い電力料金が続いた場合の対応については、「既存設備での節電の実施など人件費以外のコスト削減」が54・0%で最多。「省エネ性の高い設備(照明・自家発電設備など)の導入・更新」が40・0%、「料金の安い電力会社への変更」が33・4%と続いた。
2016年4月の電力小売り全面自由化以降の電力購入契約先変更の有無については、「変更した」企業が14・6%、「変更を検討中」の企業が8.4%、「変更していない」企業が77・0%となった。「変更していない」理由は、「しばらく様子を見るべき」が55・9%。次いで「電力の安定供給に不安がある」が28・1%となった。
ヒアリングした企業からは、「照明設備の6割をLEDに切り替えたが、依然として電力料金上昇の影響は大きく、さらなる対策として、より料金の安い電力会社への切り替えを検討している」(水産食料品製造)、「電力料金上昇の影響が大きく、採算は悪化。電力会社の変更を検討したが、安定供給への不安からしばらく様子を見ることにした。当面は省エネ性能の高い設備への切り替えを実施する」(総合スーパー)、「電力料金上昇の影響は感じないが、市による再生可能エネルギーに関する地産地消の取り組みへの協力として電力購入先を変更した。その結果、電力契約料金が安くなり、経費の節約にもつながった」(総合工事)といった声が寄せられた。
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