横須賀商工会議所(神奈川県)は7月、地理情報システム(GIS)を活用した商圏レポートを会員企業に無料(非会員は1万円)で提供するサービスを開始した。
会員企業の販路拡大を目指す同サービスは、商圏内の世帯数や人口構成などの統計情報と地図情報を組み合わせて提供するもの。地域の見込み客が可視化されることで分析しやすく、地域特性を把握しやすいという利便性がある。
さらに、会員企業には「GIS簡易診断セット」(3000円)と、「GIS分析セット」(1万円)も用意。簡易診断セットは、自社の顧客データに加えて同所職員が会員企業にヒアリングし、新規客が多い地域を地図上に示して可視化できる。分析セットは、専門家がヒアリングを実施。見込み客データを地図上に落とし込んで詳細に分析し、レポートを提出する。
7月28日からは、説明会などを通じて募った会員企業5社が参加する半年間のプロジェクト「足元商圏戦略塾」がスタート。GISを活用した経営計画を立て販売拡大を目指す。
5社は定期的に集まり、専門家を交えて情報共有。GISの活用法などを学び、個別相談を経て具体的な営業戦略などに役立てる。「年末には成功事例を生み出し、次につなげていきたい」と期待する同所は、「大企業などは商圏分析を活用した戦略立てを行っているが中小企業にはほとんど普及していない。無料で商圏レポートを提供することで、少しでも会員企業のサポートができれば」と今後の意気込みを語る。
最新号を紙面で読める!