日本政府観光局(JNTO)はこのほど、今年10月の訪日外国人旅行客数を公表した。それによると、10月は前年同月比37・0%増の127万2000人で、これまで10月として過去最高だった2013年(92万9000人)を34万3000人上回った。また、今年7月の127万人を上回り、年間を通じた単月としての過去最高を記録したことが分かった。それに加え、1~10月の累計が1100万9000人となり、13年に記録した年間の過去最高(1036万4000人)を上回った。
国別に見ると、主要18カ国の全てで前年同月比2桁増の好調な伸びとなり、ロシアを除く17カ国が10月の過去最高を記録。ドイツは単月としても過去最高だった。なお、1~10月の累計では、中国、ベトナムに続き、台湾、タイ、マレーシアが年間の過去最高を上回っている。
18カ国中のトップを走るのは台湾で、前年同月比21・9%増の26万300人と、13年2月から21カ月連続で各月の最高記録を更新。宿泊施設やバスの手配価格の上昇、紅葉シーズン開始に伴う航空券価格の高騰などでツアー価格が値上がりする中、東北方面への紅葉ツアーは早期に完売し、売れ行きは好調だ。
2位の韓国は汚染水問題などで昨年10月の訪日客が減少していたものの、円安を背景に、温泉や紅葉、アウトドアなどの訪日観光プロモーションが奏功。前年同月比57・7%増の24万9600人と、10月としての過去最高をマークした。また、釜山と大阪を結ぶフェリーを利用した高校生の修学旅行も5カ月ぶりに再開している。
3位の中国は、国慶節休暇(10月1~7日)の訪日が増加し、休暇終了後も需要が継続。前年同月比84・0%増の22万3300人と好調な伸びを見せた。10月1日から開始された新たな免税制度によって、さらなる訪日意欲の拡大が期待される。
同局は、10月が訪日旅行者数の多いシーズンとしながらも、円安による割安感の浸透や消費税免税制度の拡充などのほか、各国において日本の紅葉の魅力を集中的に発信したことなども影響したと分析している。
詳細は、http://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/pdf/20141119.pdfを参照。
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