日本商工会議所は9月18日、都内で小渕優子経済産業大臣との懇談会を開催した。会合には、日商から三村明夫会頭、佐藤茂雄副会頭(大阪・会頭)、岡谷篤一副会頭(名古屋・会頭)、佐々木謙二副会頭(横浜・会頭)、立石義雄副会頭(京都・会頭)、高向巖副会頭(札幌・会頭)、竹﨑克彦副会頭(高松・会頭)、鎌田宏副会頭(仙台・会頭)、深山英樹副会頭(広島・会頭)、福田勝之副会頭(新潟・会頭)ら13人が出席。経産省からは小渕大臣、高木陽介副大臣、山際大志郎副大臣ら幹部17人が出席して経済情勢、税制、エネルギー、地域活性化、中小企業支援などの諸問題について意見交換を行った。
会議の冒頭、あいさつした三村会頭は、「中小企業では、コスト増や人手不足問題などから、景況感の回復に力強さを欠く中、再び円安が進行しており、先行きに確信が持てないとの声が聞かれる」と指摘。低廉な電力の安定供給の早期回復を求めるとともに、「中小企業は電力料金上昇分を転嫁できていない」と述べ、安全が確認された原発の早期再稼働を求めた。
意見交換で、佐藤副会頭は、「安価で安定的な電力の確保が、成長戦略を推進するうえで差し迫った課題である」と述べ、原発の安全審査の抜本的な効率化・スピードアップを要望。「原発の再稼動に向け、地元同意の確保については政府が前面に出た対応をいただきたい」と述べた。
岡谷副会頭は、TPPなどの経済連携の推進について、「中小企業にとっても利便性の高い協定の早期の妥結」に期待を表明。立石副会頭は、投資促進や競争力強化に向け、「法人実効税率の引き下げが極めて重要」と指摘した。外形標準課税については、「賃金課税である外形標準課税の影響は甚大。アベノミクスの賃上げ政策に逆行する。特に地方では、中小企業の従業員比率が高く、雇用を支える地方の疲へいに拍車をかけ、地方創生を重要政策に掲げる政府方針とも矛盾することから断固反対」と強調した。
小渕経産相は、就任と同時に東京電力福島第一原子力発電所を視察したことに触れ、一日も早い福島再生に向け全力を尽くす考えを表明。「現地の正確な情報を外に伝える努力が重要」と述べた。
電力料金上昇問題については、国民的理解の醸成に向け、「産業界の切実な声を上げてほしい」と要請。また、アベノミクスの効果を全国に届けるため、「商工会議所と一緒に頑張っていきたい」との意欲を示した。
最新号を紙面で読める!