弊社は昭和39年に父が「千種精肉店」として創業し、食肉卸売業を中心に展開してきました。平成8年に家業を離れた兄の跡を私が継いで、今では専務の息子とともに二人三脚で切り盛りしています。
数年前から、大手卸が小売店と直接取引するようになり、生き残りが厳しくなりました。280あったまちの肉屋は今では37店にまで減り、今後もさらなる競争の激化や後継者不足などによって十数軒にまで減ってしまうと言われています。
どうにかしなくてはいけないと考えていたころ、巡回に来てくれた大内さんに「売り上げを伸ばすのが大変なんだよ」と何気なく話していると、「経営革新計画の申請をしたらどうでしょう」と提案いただいたのです。絶好のタイミングでした。
それから大内さんのアドバイスをもとに、書類のつくり方から専門家の方々とのやり取りまでケアしていただき、20年に経営革新計画の承認を受け、昨年4月に終了しました。5年間で得た変化は計り知れず、新しいお客さまの獲得、店舗の全面改装や工場の新設、また、商工会議所に応援されたことが信頼につながり、売り上げも順調にアップしていきました。今ではベトナムなど海外展開にも力を注いでいます。「まちのお肉屋さん」でも多くのことに挑戦でき、ハードルは高くないということを同業者の皆さんに知ってもらい、活性化につながればと思っています。
私たちと同じ目線で気さくに話してくれたおかげで、ビジョンを具現化していく方法や、業界全体を見渡して幅広い視点を持つことができるようになりました。セミナーなどに参加することも大切ですが、それを自分だけで応用するには難しい面もあります。今回のように巡回のヒアリングの中で生まれる自然な会話にこそ私たちが求めるものがあるのです。
商工会議所にはさまざまな局面を支えてくれるメニューが用意されています。ぜひ皆さんにも活用してほしいですね。
担当者からひと言
ご相談は最寄りの商工会議所までお気軽にどうぞ!
日頃から営業車をよく見かけていたシェフミートチグサさんには何かありそうだと感じていました。巡回中に経営革新計画について話すと予想的中! 必要となる申請書にも考えをしっかりと落とし込んでいただき、これは承認に結びつくと確信を得たのを覚えています。
その後は国の地域産業資源活用事業計画も認定され、中小企業基盤整備機構主催の交流会で事例発表をしたりと多方面から注目を集め、私たちも支援の効果を感じています。ベトナムに進出されるなど、大きく飛躍されたことを誇らしく思います。
100年続く企業を目指して、「千種町のお肉屋さん」からスタートした原点を忘れずに今後も大きな視野を持って頑張ってほしいですね。
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