当社は個人商店として創業し、昭和53年に法人化しました。主に地元水産物の加工をしています。主力商品は、いくら・うに・イカです。 東日本大震災の際に発生した津波により、当社も大きな被害に遭いました。施設や工場・原材料・商品、全てが流されてしまい、仕事が完全にストップしてしまいました。
このとき、「今は商品を届けることはできないけれど、工場を再建したら一緒に仕事ができないか」と1日も早い復興に向けて日本中を営業しました。その結果、新規販売先を得ることができ、現在の売上は震災前を上回っています。
震災後に始めた取り組みの一つに、「復興応援 キリン絆プロジェクト」があります。このプロジェクトは、キリングループが被災地の復興を応援するために実施しているもので、商工会議所が窓口になっています。当社を含む水産加工業者4社で「宮古 チーム漁火」というプロジェクトを立ち上げました。30代の若手経営者が中心となり、2週間に1度のペースで集まっています。メンバーは、いつも良い刺激を与えてくれますし、まさに一緒に戦う同志のような存在です。
この取り組みを通じて、台湾・台北の企業と直接取引を始めることができました。これまでも海外との取引はありましたが、全て商社を経由したものでした。ダイレクトに取引が始められたことは、私たちにとって大きな自信となりました。
このプロジェクトやグループ補助金などの役に立つ情報を提供してくれた商工会議所は非常に頼りになる存在です。今後も力を貸してほしいと思います。
現在の宮古は、行政・商工会議所・企業がうまく連携し、非常にいい流れができています。この状態を維持しながらも、変化の激しい現代において常に新しいことを仕掛けていきたいですね。今後は「水産のまち宮古」を次世代に継承する地盤づくりに向けて取り組んでいきたいです。
担当者からひと言
ご相談は最寄りの商工会議所までお気軽にどうぞ!
当市の基幹産業である水産業は震災により大きな打撃を受けました。しかし、懸命の努力によりわずか震災の1カ月後に魚市場を再開させています。
当所では特に、水産業を応援するため、日本財団とキリンが実施している復興応援キリン絆プロジェクトを活用して、「宮古市 水産加工ブランディングプロジェクト」を実施。水産加工業の22企業の皆さまが、チーム漁火など4つのグループが取り組んでいます。今後もこれらの事業がうまくいくように精一杯サポートしていきます。
商工会議所は会員企業の皆さまに、これからも役に立つ情報をタイムリーに発信することで、良いメニューや支援施策を会員企業に活用してもらい事業の発展につなげたいと思います。
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